永福ふれあいの家は都心にあって、数グループのデイサービスを実施できる通所型の施設であり、区の借上げ施設として民間が建設した。
ふれあいの家の南側には広い庭があり、鑑賞だけでなく、機能回復の場として、また利用者が花や野菜を栽培しながら、自然に触れる場として考えられている。
内部では「光のパッサージュ」と名づけられた2層吹き抜けの空間が南からの明るい日差しを全体に受けている。光のパッサージュとは光あふれる街路という意味で、このパッサージュに沿って高齢者の活動の場が広がり、あたかも通りに面したカフェや店のショーウインドーのようなにぎわいを見せている。このカフェは、デイサービスのグループ活動だけでなく、ゆっくりと食べたい人が片づけを気にせず食べられたり、一人でのんびりいたいとき、また仲よしの二人でおしゃべりをする場として、パリのカフェのような街中の洒落た場所として設えられている。
来訪された方が晴れやかな気持ちになれるよう、木をふんだんに利用した天井の高い明るい空間となっている。日射を制御する3枚のアルミ子庇が付いたペアガラスのサッシの内側に木製のバックマリオンを付けることによって、木質空間を強調している。
民設公営のため、計画・設計と施主様及び区、運営を担当する社会福祉法人と3者の調整も行った。